1.2 推奨度の決定

本ガイドラインの作成にあたり、臨床上の疑問についてクリニカルクエスチョン(CQ)を設定し、そのCQ に対する回答の根拠となるエビデンスについて、ハンドサーチで収集した。その結果をもとに、各CQ に対しての推奨度を決定するため、推奨に関する委員のvoting を行い、その結果をもとに、各CQ に対する推奨度を設定した(表1)。推奨度は、各CQ におけるエビデンスの強さ、想定される患者が受ける利益、損失等を参考に決定された。診療内容(検査、治療の適応症を含む)の本邦における薬事承認や保険償還状況は、voting の際には考慮しないこととし、必要に応じて備考欄に記載した。Voting により① SR が70%以上の場合にはSR、② ①を満たさずSR+R が70%以上の場合にはR、③ ①②を満たさずSR+R+ECO が70%以上の場合にはECO、④ ①-③に関わらずNR が50%以上の場合にはNRを全体の意見とし、①-④いずれも満たさない場合は「推奨度なし」とした。

なお、各CQ に対する推奨について、現時点では十分なエビデンスに基づかないものも含まれる。また、今後の新たなエビデンスの蓄積により、本文の記載および推奨度が大きく変化する可能性がある。以上を踏まえ、本ガイドラインは、現時点での委員のコンセンサスも多く含まれることを考慮して、その位置づけを「暫定的臨床提言(Provisional Clinical Opinion)」とした。

表1. 推奨度と判定基準

推奨度

推奨度の判定基準

記載方法

Strong recommendation(SR)

十分なエビデンスと損失を上回る利益が存在し、強く推奨される。 強く推奨する

Recommendation(R)

一定のエビデンスがあり、利益と損失のバランスを考慮して推奨される。 推奨する

Expert consensus opinion(ECO)

エビデンスや有益性情報は十分とは言えないが、一定のコンセンサスが得られている。 考慮する

No recommendation(NR)

エビデンスがなく、推奨されない。 推奨しない